● 検査体制
内視鏡検査室は2013年1月から内視鏡センターとして新規開設して、質・量の両面で増大する内視鏡検査・治療の需要に即応できるようになりました。
検査実績をご参照ください。上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)では殆どの方が経鼻内視鏡(鼻から挿入する内視鏡)による検査を受けています。
経鼻挿入ではスコープが舌のつけ根をこすらず、のどの後ろの壁を圧迫しないので、経口の内視鏡検査に比べ、検査時の吐き気・不快感が大幅に軽減できることが期待されます。これまで経口による内視鏡検査で辛い経験をされた方も、経鼻内視鏡ではあまり負担を感じることなく受けることができたとの感想を寄せていただいています。
上部、下部ともに苦痛の少ない内視鏡検査を行う一方、消化管の癌の内視鏡的切除(EMR/ESD)に積極的に取り組んでおります。ESDによる内視鏡手術は、2006年4月早期胃癌を対象に、また2008年4月には早期食道癌を対象に保険適応となりました。
大腸腫瘍(癌・腺腫)に対するESDは、保険診療の対象外でしたが、厚生労働省は2009年6月からこの手技を「先進医療」として承認、町田胃腸病院は2010年12月厚生労働省より実施医療機関として認可され、「先進医療」に基づいて治療を開始致しました。そして、その有効性と安全性が評価され、2012年4月の保険の改正により、大腸ESDは保険診療として認可されました。
また十二指腸腫瘍に対するESDのように高度な内視鏡技術が必要とされる症例にも取り組んでいます。
● 検査の種類
1.上部消化管内視鏡検査
食道、胃、十二指腸の内視鏡診断および治療を行っています。
・経鼻内視鏡検査
・出血に対する内視鏡的止血術
・食道静脈瘤に対する結紮術(EVL)
・早期食道癌、胃癌、十二指腸癌に対する粘膜切除(EMR)・粘膜下層剥離術(ESD)
・経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)
・術後狭窄などに対するバルーン拡張術
・消化管異物の除去術
・イレウス管(腸閉塞を治すためのチューブ)挿入
2.下部消化管内視鏡検査
大腸の内視鏡診断および治療を行っています。
・ポリープ摘除術
・大腸腫瘍等に対する粘膜下層剥離術(大腸ESD)
・経肛門的イレウス管挿入
・止血術
・結腸軸捻転症の整復
3.内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)・内視鏡的乳頭切開術(EST)
4.カプセル内視鏡検査
5.小腸内視鏡検査(ダブルバルーン内視鏡検査)
6.気管支鏡検査
● 内視鏡診療実績
内視鏡検査 | 2013年(H25) | 2014年(H26) | 2015年(H27) | 2016年(H28) | 2017年(H29) |
---|---|---|---|---|---|
上部消化管内視鏡 | 3,160 | 3,547 | 3,981 | 3,762 | 3,829 |
下部消化管内視鏡 | 1,707 | 1,823 | 2,148 | 2,610 | 2,624 |
カプセル内視鏡 | 14 | 12 | 12 | 6 | 5 |
治療内視鏡 | |||||
大腸ポリープ切除術 | 273 | 417 | 486 | 570 | 647 |
逆行性胆管膵管造影(ERCP) | 2 EST (5) |
6 | 17 EST (5) |
20 | 14 |
食道ESD | ― | 1 | 3 | 2 | ― |
胃ESD | 13 | 14 | 35 | 33 | 27 |
十二指腸ESD | ― | ― | 1 | ― | ― | 大腸ESD | 20 | 28 | 34 | 40 | 51 |
EMR:Endoscopic Mucosal Resection 内視鏡的粘膜切除術
ESD:Endoscopic Submucosal Dissection 内視鏡的粘膜下層剥離術
ERCP:Endoscopic Retrograde Cholangio-Pancreatography 内視鏡的逆行性胆道膵管造影
EST: Endoscopic sphincterotomy 内視鏡的乳頭括約筋切開術
● 内視鏡担当医
担当医は以下のページでご確認ください。
外来担当医表
● 検査の予約方法
一般の方
上部消化管内視鏡検査は予約枠に余裕がある場合、当日お食事をされていなければ予約がなくても検査をお受けいただけます。
まずはお電話にてお問い合せください。(休診日と木曜日を除く)
また、吐血、下血等緊急を要する症状がある場合もまずはお電話をお願いいたします。
ご予約をご希望の方はお電話、またはご来院頂きご予約をお願いいたします。
下部消化管内視鏡検査は緊急を要する場合以外はお電話またはご来院頂きご予約をお願いいたします。
検査前の下剤等について説明がありますので一度受診をお願いいたします。
医療機関の方
基本的に上部消化管内視鏡検査につきましては、当日絶食であればご予約がなくても検査をお受けいただけます。お電話にてお問い合せください。下部消化管内視鏡検査につきましては、緊急を要する場合はご依頼いただいた当日の検査も対応致しますので、お電話にてお問い合せください。
なお、オ―プンシステムとしての検査のみのご依頼も受付けております。
※下記「上部消化管内視鏡検査予約申込書 兼 診療情報提供書」をご参照ください。
上部消化管内視鏡検査予約申込書 兼 診療情報提供書(PDF形式:51KB)
下部消化管内視鏡検査予約申込書 兼 診療情報提供書(PDF形式:109KB)
●内視鏡機器の感染管理
<内視鏡機器は1回の検査毎に自動洗浄・消毒を行っています。>
「人の病気がうつるのが怖い」という気持ちは、皆様の共通した思いです。私達の施設では、内視鏡で使用する機器は、日本消化器内視鏡学会発行のガイドラインに基づいて、十分な洗浄・消毒・保管を行い、感染源(ウィルス・細菌)を内視鏡から完全に除去する事に努めています。
内視鏡検査に従事するスタッフも1検査毎に手袋の交換をするなど、感染、汚染を防ぐ事に努め、清潔な環境で検査を受けていただけるよう心掛けております。