当院について

胃について


ピロリ菌は胃の中に好んで住みつき、胃の壁を傷つける細菌で1980年代に発見されました。
現在も研究が進んでおり、胃に悪影響を及ぼす、慢性胃炎の原因になる、胃癌になりやすい、大腸癌を併発しやすい…、と新たな発見が次々とニュースになっています。

ピロリ菌に感染すると必ず潰瘍になるわけではありません。しかし、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の人のうち約80~95%がピロリ菌に感染しており、ピロリ菌は潰瘍の原因として大きな比重を占めています。

胃ガンの患者さんはピロリ菌の感染率が高く、胃ガンの発生にピロリ菌が関わっているのではないかと考えられていますが、正確なところはわかっていません。

ピロリ菌は除菌治療で胃から追い出すことができます。

除菌の流れ

1.ピロリ菌検査…ピロリ菌がいるかどうかの確認

*内視鏡を使い採取した組織中のピロリ菌を調べる検査
*吐き出された息からピロリ菌を調べる検査
*血液や便、尿などを採取してピロリ菌を調べる検査

2.ピロリ菌の除菌治療

以下の3種類の薬を1日2回、1週間続けます。(1次除菌と言います。)
a) 胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬 (オメプラール、タケプロン、パリエットなど)
b) ペニシリン系抗菌薬のアモキシシリン (アモリン、サワシリン、パセトシリンなど)
c) マクロライド系抗菌薬のクラリスロマイシン (クラリス、クラリシッド など)

除菌療法で見られる副作用

主な副作用は軟便、軽い下痢と味覚異常です。
自分の判断で飲む回数を減らしたりせず、残りの薬を最後まで(7日分)飲み続けてください。
飲み続けていて、下痢、味覚異常がひどくなった場合は主治医、または薬剤師に相談してください。

発熱、腹痛を伴う下痢、あるいは下痢に粘液や血液が混ざっている場合は、ただちに薬を中止して、
主治医、または薬剤師に連絡してください。

除菌判定


除菌治療終了後4週以上たってからピロリ菌がいなくなったかどうかの確認のための検査を行います。
除菌治療の成功率は約80~90%で、必ず成功するわけではありません。
失敗した場合、再除菌を行うことが検討されています。
必ず成功するとは限らないので対処法は主治医に相談してください。